統計で見る楽器の演奏人口

統計で見る楽器の演奏人口

統計で見る楽器の演奏人口


日本にどれぐらい楽器の演奏をする人がいるのか、統計で見ていきたいと思います。

下のいくつかのグラフは、総務省の平成28年度の統計をもとに作成したものです。


年代別楽器の演奏人口

※出典:政府統計の総合窓口(e-Stat)のデータをもとに作成したグラフです。



平成28年の一年間で楽器の演奏(練習)をした人の全年代総人口は、1,240万人です。
(ちょっと前のデータですが、現在と大差ないと思います。)


それに対して分母数は、
日本の総人口(推定)1億1千330万人ですから、楽器演奏人口の割合は10.9%になります。


思ったより多いと感じた方もいるかもしれませんね。(私はそう思いました。)


ただこの数値は、
1年のうちの、たとえ数日でも楽器の演奏(練習)をした人も入っていますから、
継続的におこなった人に絞ると、これより少なくなると思います。


全世代中、やはり突出しているのは10代で、
10代の前半では179万人、後半では145万6千人が何かの楽器を練習していて、


それぞれの人口割合でみると10代前半が32.6%、後半が24.2%で、
10代の10人に2~3人は楽器の稽古をしていることになります。


この数値は、学校で行われる授業や音楽祭などの行事とは別でしょうね。


小中学校では、音楽の授業でリコーダーやハーモニカなどの練習をすることがありますから、
そういうことも含めれば100%近くになってしまいますので、


親が子供に、情操教育としてピアノなどの楽器を習わせるケースや、
学校のカリキュラムとは別の部活動などで吹奏楽や管弦楽部に参加して、
本格的に楽器の練習をした場合の数字ですね。



下のグラフは、割合を表したものになります。


年代別楽器の演奏人口割合

※出典:政府統計の総合窓口(e-Stat)のデータをもとに作成したグラフです。



グラフを見ると予想通りで、子供の時は頑張って練習していた楽器もいつしか止めて、
社会に出て年齢を重ねていけばいくほど、楽器演奏をする人は少なくなっていくのがわかります。


でも私が意外に思ったのは、楽器を演奏される75歳以上の方々の人数です。


割合で見れば、75~79歳が4.5%、80~84歳で3.2%、85歳以上では1.8%と、
そう高くは感じませんが、人数で見てみますと、75~79歳で278,000人、
80~84歳になると145,000人、85歳以上では、なんと72,000人です。


これよりも、もっと少ない人数かなと思っていたのですが、
75歳以上の後期高齢者、合わせて約50万人の方々が楽器の演奏をされているんですよ~。


ただこの統計は、どれぐらい継続したのかというところまではわかりませんので、
高齢者になってから練習を始めたが、数日、数週間で断念したケースもあるとは思います。


しかし、それらを差し引いて考えても、すばらしいと思いました。
楽器の演奏力は、若い人の方がやっぱり優位ですからね。


高齢でも楽器の演奏をする方々がこれだけいるのは大変勇気づけられましたし、
やはり音楽は一生続けられる趣味だと確信しました。


中には、子供のころからずっと演奏をしていて、
高齢になった今でも演奏家として活躍している方はいらっしゃるでしょうし、


若い時に演奏経験はあるが、長いことやっていなくて高齢になってから再開した方とか、
定年後の新たな楽しみをつくるために、60歳過ぎて始めた方や、
老化防止のために70歳を過ぎてから始めた人もいらっしゃるでしょう。


あるいは、80歳を過ぎて始めたという、チャレンジ精神旺盛な方もいるかもしれません。


いずれにしても、老若男女、楽器演奏をする方々が一定数いるということは、
どの年代でも始めることができ、子供の時から高齢になるまで、一生涯続けられるものであり、
子供や孫と一緒に楽しむことができる、世代を超えた趣味であるといえます。


もう一つ見ていただきましょう。男女別の統計グラフです。


年代男女別楽器の演奏人口割合

※出典:政府統計の総合窓口(e-Stat)のデータをもとに作成したグラフです。



どの年代も、女性の方が多いようです。特に、10代~20代前半では男性との差が倍近くあり、
10代前半の女子にいたっては、100人中45人も楽器の習い事をしているんですね。


娘にとって、楽器の練習をして音楽を学ぶことが最適な情操教育だと、
多くの人(親)が潜在的に感じている証左であると思います。


しかし、
こうしてグラフをながめていると、長年続けることは容易ではないとわかりますね。


楽器演奏に限ったことではなく、どの分野においてもやはり、
継続することがとても価値のあることであり、それは大きな自信につながるということです。



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